一級建築士試験とは

一級建築士試験とは

一級建築士として建築のプロフェッショナルを目指すための試験です。
建築の世界には様々な職種と資格がありますが、その頂点に立つのが「一級建築士」です。
責任の大きさ、社会的信頼度のいずれをとっても、建築界における最高峰の国家資格と言えるでしょう。
私も長年この資格取得に向けて努力し、合格できた時の喜びは今でも鮮明に覚えています。
これから挑戦する方々に、一級建築士試験の全容と効果的な対策法をお伝えします。

一級建築士は、建築士法に基づく国家資格であり、どんな規模や用途の建築物でも設計・工事監理ができる唯一の資格です。二級建築士や木造建築士と異なり、高層ビルや大規模商業施設、病院、学校などの設計も手がけることができますし、業務独占資格ですので 一定規模以上の建築物は一級建築士でなければ設計できません。
また建築士事務所の開設をして独立することも出来ますし、社会的信頼を得てクライアントや関係者からの高い信頼を得ることにも繋がります。
さらにキャリアアップで建設会社やゼネコンでの昇進や給与アップにつながります。
一級建築士の資格があれば、設計事務所、建設会社、不動産、行政など多方面で活躍可能です。

そんな一級建築士ですが、受験するには受験資格が必要になります。

一級建築士の受験資格


一級建築士の受験資格は、建築士法第14条に基づいて定められており、以下のいずれかに該当する方が受験可能です:
– 大学・短期大学・高等専門学校で指定科目を修めて卒業した者
– 二級建築士の資格保有者
– 建築設備士の資格保有者
– 国土交通大臣が同等以上の知識・技能を有すると認める者
また、令和2年の法改正により、従来は受験資格として必要だった実務経験が不要となり、試験合格後の免許登録時に審査される形に変更され、
この法改正により、大学卒業後すぐに一級建築士試験を受験できるようになりました。

試験の全体像として、一級建築士試験は、大きく分けて3つの段階で構成されています。


1. 学科試験(マークシート方式)


7月上旬に実施され、以下の5科目が出題されます:
– 計画(建築計画・都市計画)
– 環境・設備(建築環境・設備)
– 法規(建築基準法など)
– 構造(構造力学・建築材料)
– 施工(建築工事・施工管理)
この5科目で構成され、合格基準は総合点の60%以上かつ科目ごとの最低基準をクリアすること。幅広い知識が求められます。

2. 設計製図試験(記述・作図方式)


10月上旬に実施され、与えられた課題に対して建築物の設計を行います。
学科試験を通過すると、設計製図試験に進みます。こちらは与えられた課題に沿って設計図を作成する実技試験となり、実務力が問われます。
試験時間: 6時間30分
出題内容: 中規模〜大規模の公共建築物や複合施設など
提出物: エスキス(ゾーニング図など)、平面図、断面図、立面図、その他指定された図面等

3. 合格発表と登録手続き


学科試験: 9月上旬に合格発表
設計製図試験: 12月上旬に合格発表
登録手続き: 合格後に都道府県知事に申請して免許を取得

一級建築士試験の合格率は、
学科試験: 例年15〜25%程度
設計製図試験: 例年20〜30%程度
最終合格率: 例年10%程度(学科・製図の両方に合格した人の割合)

となっており、簡単な試験ではありません。
しかし、しっかりとした準備をして勉強を行えば、合格できる試験です。

一級建築士試験は確かに難関ですが、毎年多くの方が合格しています。それは夢ではなく、適切な戦略と継続的な努力によって実現可能な目標です。
試験勉強を通じて得られる知識と経験は、合格後の実務においても大きな財産となります。建築に対する情熱を持ち続け、一歩一歩着実に前進していきましょう。
あなたの建築人生において、この試験がさらなる飛躍のためのステップとなることを心から願っています。
未来の一級建築士のみなさん、頑張って下さい!

自己紹介

はじめまして、なにわの一級建築士といいます。
30年の実務経験があり、設計事務所やゼネコンの設計部等で様々な建物の設計に携わってきました。

一級建築士の他には、1級建築施工管理技士、宅地建物取引士、FP2級、福祉住環境コーディネーター2級等の資格を持っています。

一級建築士の試験に合格したのはかなり前ですが、毎年のように後輩や部下が一級建築士の試験を受験しているので、昨今の状況も理解しています。

建築関係でない人は知らないと思いますが、一級建築士の試験は、数ある国家資格の中で過酷な方だと思います。
過酷って大袈裟な。ただの試験でしょって思う人も多いと思いますが、実際に一級建築士試験に挑戦するとかなり過酷なんです。
人によって違いますが、まだまだブラックな建築業界、毎日残業した上で、夜中まで勉強して、休みの日も一日中勉強。
独学の人も中にはいますが、一級建築士試験を受験する人は、大抵は資格学校に何十万も払い、家族や友達、彼女、彼氏との付き合いを断り、1年間勉強し続ける忍耐力も必要となってきます。

このブログでは、一級建築士の試験に合格するためには、資格学校に通う必要があるのか、通うならどこの資格学校がいいのかをお伝えしていけたらと思っております。